2011年08月21日

宇宙大戦争 ナタール人、こうすれば勝っていた

宇宙大戦争 [DVD] / 池部良, 安西郷子 (出演); 丘美丈二郎 (原著); 関沢新一 (脚本); 本多猪四郎 (監督)


 東宝特撮映画DVDコレクションの第16号は『宇宙大戦争』。
   http://deagostini.jp/ttd/backnumber.php?id=10685&issue=16
   
 1959年の作品です。
 作中描かれる時代は1965年とされています。
  
1959年 ルナ2号の月面到達
1969年 アポロ11号 人類初の月面着陸 
 
 ということは、これらの歴史的イベント以前に製作されていたということです。
 作中、宇宙航行中や月面でのシーンが描かれていますが、全て想像の産物ということです。
 アポロ11号の月面着陸以前にものすごい映画が製作されていたんだなあ。
 
  
 そして公開の6年後をこんなにも科学の進んだように想像し、描くことができたこの時代のエネルギーもすごい。
 例えば現在2011年。現在に生きる我々は6年後の2017年をどう想像するのでしょうか。
 科学が進んで宇宙旅行が可能になってると想像できるのでしょうか。
 むしろ、マヤ予言だとかフォトンベルトだとか小惑星や隕石の衝突、ポールシフト、金融崩壊、大恐慌、温暖化、原発事故、……。
 未来の予想は暗いものばかりで希望が全く持てません。
 一体どこに希望があるのでしょうか。
 6年後の科学の発達を予想することができた1959年の人々は幸せでした。
 
……と、未来への希望を持てた時代のエネルギーに満ちた作品。
 しかし、私がいいと思ったのはここまででした。
  
 ちょっと物語の展開に説得力がなく、ご都合主義的で強引なものを感じました。
 まあ多かれ少なかれ、どの物語でもご都合主義なものはあります。
『地球防衛軍』もそうでした。
  
地球防衛軍、モゲラ、ミステリアン
  http://sfkid.seesaa.net/article/218908318.html
  
 しかしそんなこと言ってればきりがないので、ある程度のところで納得しなければ仕方がない。
 しかし本作品はあまりにも強引すぎやしませんか。
 
 圧倒的に科学力・軍事力が上のナタール人ですよ。
 これはどうシミュレーションしても地球人が勝てないと思う。
 スピップ号が月にたどり着けることからして不可能だ。
 例え月に着陸しても、円盤で総攻撃すれば全滅だ。冷却無重力兵器を使えば一瞬で終わる。
 
 ナタール人は、人間を誘拐してロボットのように操ることができる技術を持っている。
 それならその能力をアーメット教授や岩村幸一(土屋嘉男)のみにとどまらず、世界の要人を次々に誘拐してコントロールすればよかったのだ。
 月面調査隊もヒラの岩村にとどまらず、隊長ほか全員を誘拐して支配下に置けばよかったのだ。
  
 岩村が持つ銃で円盤を撃ち落とすシーンなんて、まるで竹やりで戦闘機を落とすような描写である。あまりにもマンガ的すぎてしらけてしまう。
  
……ということで、あまりにも説得力がなく不自然で強引すぎる展開でしたね〜。
 
 それから、ワンシーンだけ登場して白石江津子(安西郷子)に群がっていた連中、一応、公式設定ではナタール人ということになっています。
 しかし映画だけ観ていると、本当に彼らはナタール人かという疑問もあります。
 彼らは月世界に初めから住んでいた原住民で、後からやって来て地球侵略の前線基地を建設したナタール人とは別の存在だったとか考えられないでしょうか。


宇宙大戦争 / 伊福部昭, サントラ (CD - 1996)


宇宙大戦争  
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%87%E5%AE%99%E5%A4%A7%E6%88%A6%E4%BA%89
 
宇宙大戦争 −SummaArs 藝術大全
  http://summaars.net/uchudai.html

Godzilla and Other Assorted Fantastic Monsters
宇宙大戦争 (昭和34年・1959)
  http://godzilla.open-g.com/battle_in_outer_space_1959.html
 
レトロな雑記帳 宇宙大戦争
  http://retroroom.blog111.fc2.com/blog-entry-356.html
 
【徒然なるままに・・・】『宇宙大戦争』(1959)
  http://odin2099.exblog.jp/3051770
 
   
地球防衛軍事典
http://amasaki.web.infoseek.co.jp/drama/Encyclopedia/Japan/boueigun.html
    
CinemaScape−映画批評空間− 宇宙大戦争 (1959/日)
  http://cinema.intercritique.com/movie.cgi?mid=6001

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2011年08月16日

幻の少年ドラマ版「時をかける少女」:石山透『タイム・トラベラ−』

 筒井康隆『時をかける少女』が何度も映像化されている名作だということは疑いのない事実である。
 
 では、“時かけ”ファンに質問。
 原田知世や内田有紀ら歴代のバージョンが存在するが、では最初の映像化についてどれだけ知っていますか?
 
  
 答え
「1972年のNHK少年ドラマシリーズ第一作『タイム・トラベラー』。
 芳山和子は島田淳子(後の浅野真弓)が演じ、
 ケン・ソゴル(深町一夫)は木下清が演じた。」
   http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%99%E3%83%A9%E3%83%BC
  
   
 これは最近入ってきた若い世代には答えられないかもしれない。
 実は原田知世や内田有紀版をリアルタイムで観ることができた私でも
この“ファーストシリーズ”は生まれたばかりの頃の作品で、観ることはできなかった。
  
 最近、復刊ドットコムで『続・時をかける少女』が復刊された。

続・時をかける少女 [単行本(ソフトカバー)] / 石山透 (著); 復刊ドットコム (刊)

 この続編は、少年ドラマシリーズ『タイム・トラベラー』の続編のノベライズ版である。
 
 少年ドラマシリーズ版は正編・続編ともに石山透が脚本を描かれている。
 だから筒井版の正編と石山版の続編ではかなり雰囲気が違う。
 こんなことを書くとSFの生き神様から天罰をくらい、信者の皆様から袋叩きにされそうだが、私は石山版の続編の方が好きだ。
 
 今回、「20世紀少年少女SFクラブ」で『続・時をかける少女』の項目を作成するに当たって、NHK少年ドラマシリーズ『タイム・トラベラー』のシナリオ集というのがあることを知った。

   ★タイム・トラベラー (大和書房ヤングアダルトブックス)
 
  
 早速入手して読んでみると、『タイム・トラベラー』は、原作とは大きく違う未知の世界の大冒険が展開されていた!

 幻の少年ドラマ版がここにあった!
 
 NHK少年ドラマ版『タイム・トラベラー』とは、こんな物語だったのか!
 そしてそれは石山版『続・時をかける少女』の幻の“正編”であった。
 
 NHK少年ドラマ版『タイム・トラベラー』は、映像は失われて音声のみ残っている(最終回は映像も残っている)。

NHK少年ドラマ・アンソロジーI [DVD] / 島田淳子, 木下清, 長谷川諭, 沢村正一 (出演); 筒井康隆, 光瀬龍 (原著)
 
  
 映像を再び見ることはできないが、このシナリオ版でシナリオだけは読むことができる。
 
 そして筒井版正編と石山版続編しか知らない皆様、それだけではもったいないですぞ。
 石山版の幻の“正編”では、知られざる幻の大冒険が行われております。
 特に石山版の続編が好きだった皆様におすすめです。
 
  
 このシナリオ集、絶版になってプレミア価格がついていますが、
 復刊ドットコムで復刊リクエストされています。
『続・時をかける少女』に続いて復刊してほしいものです。
 NHK少年ドラマファンの皆様、石山透ファンの皆様、時をかける少女ファンの皆様、ご協力お願いします。


  復刊ドットコム 復刊リクエスト16943
    タイム・トラベラ− 筒井康隆「時をかける少女」より
  http://www.fukkan.com/fk/VoteDetail?no=16943
      ↑ご協力お願いします!


BIBLIO HOLIC
 幻の 【続・時をかける少女】
  http://biblio115.blog48.fc2.com/blog-entry-19.html
【続・時をかける少女】 石山透
  http://biblio115.blog48.fc2.com/blog-entry-479.html

お電話番の日々雑感
読書日記30 「続・時をかける少女」
  http://takotakora.at.webry.info/201104/article_12.html

さぶりんブログ
【読書録】続・時をかける少女
  http://blog.goo.ne.jp/y-saburin99/e/432653d0122b1dbd22e5918984b1749d


タイム・トラベラー
  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%99%E3%83%A9%E3%83%BC

続 タイムトラベラー
  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B6%9A_%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%A0%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%99%E3%83%A9%E3%83%BC

石山透
  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9F%B3%E5%B1%B1%E9%80%8F

   
20世紀少年少女SFクラブ
 続・時をかける少女
  http://sfclub.web.infoseek.co.jp/sf11.htm
 タイム・トラベラー
  http://sfclub.web.infoseek.co.jp/sf111.htm

NHK少年ドラマシリーズのすべて [大型本] / 増山 久明 (著); アスキー (刊)
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2011年08月07日

地球防衛軍、モゲラ、ミステリアン

 東宝特撮映画DVDコレクションの第10号は『地球防衛軍』。
   http://deagostini.jp/ttd/backnumber.php?id=8871&issue=10
 
 町並みやシーンの端々に登場する小物のレトロな雰囲気がいいですね〜。
 角が丸くなったブラウン管TVだとか、団扇立てとか。
 団扇を立てる用具なんて、あったんですね。忘れられつつある幻の骨董品じゃないですか。

都うちわ立「根竹半月型」
 
  
 モゲラはこの映画に登場してたんですか。初代はゴジラ怪獣じゃなかったんですね。
 ゴジラやガメラなど人類を守る怪獣は登場せず、人類が自力で宇宙からの侵略者と戦い、勝利します。
 確かに私が子どもの頃は怪獣同士が戦ったり、ウルトラマンなどの正義のヒーローが登場したりする方が好きだったのです。
 しかし大人になってみると、そういった超越的な存在が解決するのではなく、人類自身が努力して勝つという展開の方が好きになりました。
 まあどちらにせよご都合主義的な展開なんですが。
  
 ちなみに本作ではモゲラは2台登場する。
 1台目は登場シーンからインパクトあり、町を破壊しつつ進撃。なかなか絵になります。
 最後に橋から落とされて終了。ゴジラやガメラやウルトラマンなどに頼らない人類の自力での勝利。なかなかの名勝負であります。
 ところが2台目は期待外れ。
 戦いも終わりに近づいた頃に頭の先を出した瞬間、モグラ叩きの刑で終了。よそ見してれば気付かないくらいです。
『キン肉マン』に登場する“レオパルドン”に匹敵する瞬殺です。
 
「2号機モゲラ、いきます!!」
「ピー・ピー・ピー」
「ポコッ!」
 
 しかし逆に、この2台目が無事に戦線に登場していたら人類の勝利は危なかった。
 モゲラVS人類の兵器(マーカライトファープ、アルファ号、ベータ号)というのも絵になったろう。

特撮リボルテック SERIES No.013 モゲラ / 海洋堂
 
  
 核戦争によるストロンチウム90のためにミステリアンの産まれてくる子どもの8割が死んでしまうなんて、今となっては生々しい現実味あふれる恐怖の設定である。
  
   
 守りに弱いミステリアンドーム。
 何と科学者・渥美譲治(佐原健二)が一人で忍び込んで散々荒らし回る。
 白石亮一(平田昭彦)や拉致した女性達も自由に動き回っているし。
 初めから訓練された自衛隊員などが突撃して肉弾戦を行っていればもっと早くけりがついていた?
 
 長年ミステリアンの研究をしていた白石博士。
 しかしミステリアンと白石はお互いどうやってコンタクトを取って出会ったのだろう。
 
 人類に要求するミステリアン。
 最初は低姿勢でも、やがてエスカレートしていく。
 異文化交流は、強い方のモラルにかかっている。
 今後、地球上の人類は異星人と交流することがあるのだろうか?
  
 しかし、逃げて行ったミステリアンが再び地球に攻めてくる心配はないのだろうか。
 歴史上では繰り返しの攻撃とはよくあることで、元寇も2回あって、3回目も計画されていたというし。
 大阪城の戦いも2回あった。
 また、物語的にも、続編だとかシリーズ化というのもよくあることである。
 バルタン星人なんかも何回も攻めてきている。
 ミステリアンの続編の企画はなかったのだろうか。
  
地球防衛軍 [DVD] / 佐原健二, 白川由美, 平田昭彦, 河内桃子, 志村喬 (出演); 本多猪四郎 (監督)
 
地球防衛軍 [DVD] / 佐原健二, 志村喬, 白川由美, 河内桃子, 平田昭彦 (出演); 丘美丈二郎 (原著); 木村武 (脚本); 本多猪四郎 (監督)  
   
藝術大全 地球防衛軍 THE MYSTERIAN(1957・東宝)
 http://summaars.net/chikyuu.html 
怪獣の溜息 ミステリアンは本当に侵略者だったのか? 
 http://mogera594.blog9.fc2.com/blog-entry-684.html
怪獣ブログ モゲラ
 http://pulog1.exblog.jp/2843972/
   
地球防衛軍
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E7%90%83%E9%98%B2%E8%A1%9B%E8%BB%8D_(%E6%98%A0%E7%94%BB)
モゲラ
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%82%B2%E3%83%A9
   
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posted by SF Kid at 15:05| Comment(0) | TrackBack(1) | 空想科学小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする