南北戦争中、南軍の捕虜となったサイラス・スミス。嵐の夜、仲間の4人と飼い犬と共に気球に乗って逃亡を図るが、制御に失敗。南海の孤島に着の身着のままで不時着する。彼らは島で生活するため、開拓を開始する。
ヴェルヌの孤島生活ものです。
『二年間の休暇』では難破した船に積んでいた積み荷を島に運ぶことができましたが、本作品では気球で漂流中に軽くするため、ほとんどの積み荷を捨ててしまったので着の身着のままです。
しかしサイラス・スミスは良き技術者であり良き科学者でもあるので、島にある資源から必要なものを作り出します。
土をこねてレンガや陶器を作るのから始まり、金属を精製したり火薬を作ったり。グリセリンだとか石鹸だとか、有機化学で習ったような用語も出てきます。
特に、山の上の湖から海につながる地下水路を住居に改造するエピソードはすごい。私ならこんな発想はとても出てきません。
もし私が彼らと同じような立場になったとしても、とても生き残ることはできないでしょう。
しかし知識というのは役に立つものですね。今は身の回りに物があふれていますが、もし無人島に放り出された場合、生き残るためにはどんな知識が役に立つか分かったものではありません。そんな意識を持っていれば、学校での勉強にも身が入るのではないでしょうか。
(三角関数を使って距離や高さを求める記述もあります。こんな利用法を数学の授業の時に教えてくれたら、もっと興味がわくと思うのですが。)
『十五少年漂流記』に、バクスターという少年が登場します。手先が器用な職人肌で、色々な工事を行って生活を快適にしてくれます。
私が子ども時代に『十五少年』を読んだ時、この地味なバクスターがあまり印象に残らなかったのでした。
ところが大人になって再読した時、こういう存在は非常にありがたいものだと思ったものです。
この『神秘の島』では、物資が乏しいため、5人の人々は皆バクスターのようになって作業を行います。そして5人のリーダーであるサイラス・スミスは、バクスターとブリアンとゴードンが合体して成長したような人物です(決してドニファンは混じっていない)。
……という風にこの第一部では、島の開拓の話が中心で、ストーリー的に驚くような展開はありません。無人島でのサバイバル方法を楽しむ巻です。とはいえ、少し謎の伏線となるような記述もあり、これらの謎は第二部や第三部で展開し、発展していくのでしょう。ということで、第二部に続きます。
(メモ)
ミズブタを捕まえて食べるシーンがあります。ミズブタとはどんな動物かと検索すると、カピバラのようです。
こんばんは。 今カピバラを調べていたら
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12155706652
ブクログ http://booklog.jp/item/1/4036513206
読書メーター https://bookmeter.com/books/17558
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