2019年03月09日

吉川豊『ドキドキ!SF王国』

 私のHP『20世紀少年少女SFクラブ』はさくらサーバーを使っているのですが、一部のコンテンツは以前使っていたヤフージオシティーズに残っています。
 3月末でジオシティーズが終了になるので、引っ越し作業をしています。
「最近読んだ本より」コーナーに吉川豊『ドキドキ!SF王国』の感想文がありました。
「最近読んだ本より」コーナーはHPに置くよりブログの方が向いていると思い、こちらのブログに転載しておきます。
 
ドキドキ!SF王国
ドキドキ!SF王国
  

 近くの公立図書館の児童室で見つけました。
 SF入門をテーマにしたマンガです。
 家の光協会発行「ちゃぐりん」誌に連載したものだそうですが、どんな雑誌なんでしょうか?
 
 SF作家太田ヒカル(38)は、スランプで悩んでいた。
 空を見上げ、雲を見ているだけでいろんな空想ができた子どもの頃を思い出した。
 そうだ!資料室に入り、見つけ出す。
 
なつかしいなァ……落書きだらけのノート……。授業中先生にかくれてくだらない空想ばっかりしてたっけ
  
 あるページで目が止まる。ミスター・ダーク。彼は少年時代に見た白昼夢を思い出す。
  
 いつもいつも現実ばなれした空想ばかりしていた彼は、ある日突然本当に現実をはなれ、ミスター・ダークに連れられて滅亡の危機にあるというSF王国の探検に出かけたのだった。
 彼はそこで、宇宙旅行、宇宙人、ヒーロー、タイムトラベル、未来世界、ロボット、超能力、人工頭脳、科学者、不老不死について学ぶ。
 最後に彼は、不老不死の技術を発見したマッドサイエンティストに出会う。
 不老不死技術を使って肉体改造を始めようとする彼に向かってミスター・ダークは、ヒトゲノムの解読と遺伝子操作は現実の世界で始まっている、と伝える。
 
「SFの命は 現実の科学を こえる空想と アイデア…
 現実の科学に 追いつかれた SFは…
 もはや ……
 死…」
  
 SFの掟に気付いたマッドサイエンティストは消えていく。
 さらに、SF王国まで消え始める。
 
「これが今のSF王国のすがたです
 やがて光さえも消えすべてはやみにのみこまれてしまうでしょう」
 
 説明するミスター・ダーク。
 
「SFはもともと空想科学がつくる夢物語の世界
 人々が夢をみなくなればその世界も消えるしかないのです」
「最初のSFは人類が科学の力にめざめ
 人間社会が大きく変わりはじめた時代に生まれました
 そのころの人々にとって科学はまるで魔法…
 不可能を可能にするふしぎなしかけでした
 SFはそんなロマンチックな時代にあらわれた
 科学の夢物語だったのです」
「宇宙船、宇宙人、ロボット、コンピューター、
   夢のマシーン、時間旅行、スーパーヒーロー
 それはまさに空想科学がつくり出す夢の万華鏡!」
「しかし…
 それも人々が科学で夢をみられた時代までのこと
 科学技術が生活のすみずみにまでゆきわたり
   日常生活がまるごとSFのようになった今…
   科学はあたりまえのしくみ!
   夢ではなく日常の風景になってしまったのです」
   SF王国はどんどん崩壊し、暗闇がどんどん広がっていく。
「現実が空想をのみこむときSF王国も消える!
 どうかそれをふせいでほしい!
 現実という やみを追いはらうのは 想像力という光です!
 どうかその力を信じ 現実に負けない光りががやく想像をしてください」
「……」
「夢のない世界は暗やみです 
   それはSF王国だけでなく現実の世界でも同じこと…」
「このピンチを救えるのは 
   あなたのような空想力の たくましい人間だけです
   どうか あなたの想像力で
   このSF王国に新しい生命を ふきこんでください!」
「たのみましたよヒカルさん!」
 
 そうだ……あのふしぎな夢を見た日から
 おれはSF作家をめざしたんだ
 ずっと忘れてた……
 
 現実に戻ったヒカル(38)は再び白昼夢を見、ミスター・ダークと再会する。
 そこで明かされるミスター・ダークの正体は……。
 
 共感したので、長々と引用させていただきました。
 この作品自体、子ども向けのSF入門として良くできているし、ギャグ冒険マンガとしても楽しめる。
 最後にSFの未来についてシリアスな意見もあり、ストーリーも楽しめます。
 絵柄やギャグのセンスも私好みです。
 最後に問題提起された、SFの未来については、どうなっていくのでしょうか。
 作者は、SFは、普通の小説の中に生き残っていくのではないかと楽観的な見方をしておられます。
 私としては、やはりSFはSFらしく一ジャンルとして独立を保っていてほしいですね。
 そのためには、ミスター・ダークが語るように、現実をはるかに上回る想像が必要でしょう。
 
 本書を読んで想像力の大切さに気付き、SFや社会の未来を創造する子どもたちがどんどん出てくれたらいいですね。
 ついでに言うと、私も本書に感動し、想像力の大切さを再認識しました。
『合成人間ビルケ』の書評もそんな心理状態で書いたため、想像力の大切さを強調したものとなりました。
     2001.8.19(日)
 
20世紀少年少女SFクラブ
 合成人間ビルケ(旧題:合成人間)
  http://sfclub.sakura.ne.jp/iwasaki18.htm


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posted by SF Kid at 14:26| Comment(0) | 空想科学小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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