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( 南太平洋で海流調査をしていた田代博士(宝田明)、ジュール博士(岡田真澄)、ぺリー記者(リチャード・ジャッケル)は突然の海底火山の噴火に巻き込まれるが、マッケンジー(ジョセフ・コットン)を艦長とする巨大潜水艦アルファー号に助けられ、そのまま海底基地緯度0へと連れて行かれる。そこは人口太陽に照らされたユートピアであり、マッケンジーは宿敵マリク(シーザー・ロメロ)と人類を守るための戦いを続けていた…。<br> 日米合作のSF冒険映画。米国側資本の倒産によって長らく幻の作品と化していたが、ようやく権利がクリアとなって念願のDVD化となった。本多猪四郎監督、円谷英二特技監督、音楽・伊福部昭の東宝特撮ゴールデントリオ(本作がこのトリオの最終作)とハリウッド・スタイルの融合は、深海の潜水艦同士の戦いなどで見事に効を発揮する一方、人間改造といった猟奇色の強い部分では不慣れさを痛感する。ただし、合作映画黎明期の作品として、その意欲は大いに買うべきであり、特に円谷の艦船特撮には、今のハリウッドCG大作にはない人肌の温もりとセンスと夢がある。(増當竜也))
緯度0大作戦 [DVD] / 宝田明, ジョセフ・コットン, シーザー・ロメロ, 岡田真澄 (出演); 本多猪四郎 (監督)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51BSY28083L._SL160_.jpg)
東宝特撮映画DVDコレクションの第22号は『緯度0大作戦』。
ここでテーマにしたいのは、ラストのオチだ。
これをどう考えるかで、その人物の考え方や性格のタイプがあぶり出されるだろう。
心理テストのようなものだ。
今回のSFクラブではこのラストについて哲学的に、SF的に語り尽くし、激論していこう。
海底で冒険旅行をした3人のうち2人が残り、1人だけ(ロートン記者)地上に帰ってきて救出される。
そこで、あれは夢か幻か……という展開で落ち着きそうになり、その後やはり事実だったかもしれない……というどんでん返しとなる。
それはそれでいいのだが、それなら救出した船の艦長が田代博士そっくりというのは余計。
マッケンジーやマリクのそっくりさんがいるのは面白くて許せるのだ。
しかし田代博士も艦長も現実の世界に実在する人物なのだから、この2人がそっくりというのは、緯度0世界が現実だ、という説に立つと、矛盾が生じる。
そりゃあ、『未来少年コナン』で、コナンのおじいと、インダストリアのコアブロックにいたおじいさんがそっくりという他人の空似というのもありうる。
しかし、緯度0世界が現実だった、ということが示唆されたのだったら、それで一貫してほしかった。
こういった矛盾が気になる私は心理テスト的には「完璧主義者」となるのだろうか。
この映画のラストについては草稿の段階から色々な案があり、付録冊子にも記述されている。
また、ウィキペディアなどにも記述がある。
日本版とアメリカ版で違うラストが用意されていた時期もあったという。
そういった複数の案が色々あったため、最終稿もそれらを踏まえて色々な世界観を含んだものになったのだろう。
本当言うと私は、緯度0世界が唯一の生き残りであるロートン記者の見た幻や夢だった、という説が一番すっきりして好きだな。
東洋の桃源郷思想にも通じる。
夢に見た世界の故事で似たようなのがあったなと思って検索してみた。
胡蝶の夢、邯鄲の夢と検索してみて、もっとこれに近いのがはったはずだと「夢 蝶 蟻 怪談」と検索して最後に発見したのがラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の『怪談』に収録されている『安芸之助の夢』。
こういった展開が好きな私は心理テスト的には「夢想主義者」とでもなるのだろうか。
皆さんはこの作品のラストについてどう考えますか?
その他思いついたことなど。
100年前の同級生が敵味方に別れて戦っているという面白さ・ほほえましさ・運命のいたずらについて。
マッケンジーやマリクらが年をとらない点について。
浦島太郎や相対性理論の世界やらを思わせて面白い。
岡田博士の救出に、こういったことに慣れているはずの緯度0世界の工作員ではなく不慣れな地上世界の科学者や新聞記者らを連れて行く面白さ。
マッド・サイエンティストのマリクはマヌケである。
ライオンにハゲタカの羽を移植しても飛ぶことができるのか?
物理法則をも超えるマリクはやはり天才的マッドサイエンティストだ。
大前均が活躍。水滸伝で鉄牛を演じられた方だ。
■[日々の冒険]《水滸伝》水滸伝1973年日テレ版(中村敦夫主演)配役表
https://diletanto.hateblo.jp/entry/20061119/p1
緯度0世界とマリクの島・ブラッドロックの違い。
自然豊かで多くの人が楽しそうに暮らす緯度0世界に対して、死の島ブラッドロック。
ブラッドロックにはそもそもマリクとその部下しか住んでいないのか。
緯度0世界の潜水艦・アルファ号は武器を持たない。より性能のいい黒鮫号から逃げ回るのみ。
科学力の発達した緯度0世界なら高性能の武器を開発するのも難なくできそうなものなのに。
タカ派的思想が強くなっている現在なら嘲笑されるだろうが、この当時の理想的な日本の平和主義を表しているようだ。
戦後の一時期であれ、このような思想が高まり、それに基づいた作品が作られ、それを観ることができるというのは嬉しいことではないか。
しかしこの作品、日米合作なんだろう。
宇宙船の着水点は緯度0。
果たしてその海底には緯度0世界はあるのだろうか。
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( 日米合作スタイルで製作された1969年のSF冒険映画『緯度0大作戦』は、日本語吹替えによる日本公開オリジナル・バージョン89分とアメリカで公開された英語版『LATITUDE ZERO』105分、そしてその後東宝チャンピオン祭り上映のために68分に短縮されたバージョン『海底大戦争』の3バージョンが製作されている。本コレクターズBOXはそのバージョンすべてを収納した特撮ファン必携ともいえるものだ。日本人俳優も撮影時は全編英語台詞を通していただけに、海外版のほうが素直に観られる利点はあるが、吹替えのほうも納谷吾朗などベテラン声優陣の味わい深い演技を堪能できるなど、甲乙はつけがたい。また時間が短い分、オリジナル版のほうが引き締まっている感もあるなど、それぞれの観方で楽しむのも一興だろう。初公開から37年にしてようやく海外との権利交渉がクリアとなっての初ソフト化もめでたい限り。この時期、日本映画界は各社ともに海外との合作を果敢に試みていたが、スケールの大きさではやはり本作がだんとつではあろう。(増當竜也))
緯度0大作戦 コレクターズBOX [DVD] / 宝田明, ジョセフ・コットン, シーザー・ロメロ, 岡田真澄 (出演); 本多猪四郎 (監督)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/513CE7GTYBL._SL160_.jpg)
緯度0大作戦 / サントラ, 伊福部昭 (CD - 1997)
[wikipedia:緯度0大作戦]
Godzilla and Other Assorted Fantastic Monsters
緯度0大作戦 (昭和44年・1969)
http://godzilla.open-g.com/latitude_zero_1969.html
■日のあたらない邦画劇場■ 緯度0大作戦
http://home.f05.itscom.net/kota2/jmov/2009_01/090123.html
いくらおにぎりブログ【映画】緯度0大作戦
http://blog.goo.ne.jp/langberg/e/5c172e03cd28aef769fb05f3f5fff234
−素晴らしきバージョン違いの世界− 緯度0大作戦
http://www1.odn.ne.jp/egota/Lab/IDOtop.html
[知恵袋:安芸之助の夢]
[wikipedia:胡蝶の夢]
[wikipedia:邯鄲の夢]
[wikipedia:桃源郷]



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