2008年05月18日

未来少年コナン 第6話 ダイスの反逆

 ラナ、窓の外にコナンを見つけ、喜ぶ。
 のこされ島で命を救われ、朝のほんの一時を過ごしただけなのに、コナンとラナは深く通じ合っている。
 頭突きが効かずに後に倒れても足の指でひっかけて落ちないコナン。ものすごい足の指だ。
 モリを窓に突き立てて窓を破ろうとしている時にクズウが入ってきて窓を開け、モリは下に落ちていく。
 コナンの2代目のモリは、ここで持ち主の手から離れることに。
 一方、悪酔いして三角塔の下を歩いていたダイスは、突き刺さったモリを発見。
「どけい、このモンスリー。……じゃねえ、モリめ」
とはまた笑わせてくれる名セリフである。
  
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 クズゥの銃を壊したラナ。簡単にスルーされているが、本当ならば非常な怪力を持っていることになる。というか、銃がこんな簡単に壊れるものなのだろうか。
 
 コナンにおんぶされ、窓から逃げようとするラナ。すごく勇気がある。普通の女の子、というか男でも躊躇しておかしくない状況であるが、宮崎アニメのヒロインは度胸があるのである。

 ラナが逃げたことを電話で知るレプカ(パジャマ姿なのがポイント)。
「三角塔にエネルギーを注入しろ。構わん、委員会には後で話す」
 三角塔上部に明かりが灯ったのを見たダイスのセリフ
「うわあ、三角塔に火が入った」
 三角塔のエネルギー事情が伺えるセリフである。
 そういえば当時、エネルギー危機だとか石油ショックだとか言われていたのではなかっただろうか。
 
 三角塔から砲塔が出てくる。三角塔は軍事要塞としても使われていたのか。
 発見されたコナン、下に飛び降りる。落ちた瞬間とその後のデフォルメされた表現が面白い。
 初回放送当時、意味も分からずに見ていた私だが、このシーンだけは印象に残った。痛みの分かる表現である。
 しかし、現実にはあり得ないことなのだが。
 私に未来少年コナンの面白さを教えてくれた小学高学年時代の友人が、空を飛べると思い込んで高い所から飛び降りて、足の骨が地面に突き刺さって死んだ男の話をしてくれたことがある。
 良い子の皆さんは決して真似しちゃいけませんよ。

「2人はX塔に行くわ。すぐに追いなさい」
とモンスリー。ということは、三角塔の3つの塔は、X塔、Y塔、Z塔という名がついているのだろうか。
 
「全く、大した子よ。
 殺してしまうには惜しいわ」
 今後のモンスリーの変化を予感させるようなセリフである。
「ガンダム」のセリフはよく引用されるが、「未来少年コナン」のセリフも名言揃いである。
 
 レプカと対策を協議するモンスリー。
「局長、委員会にお願いして探査装置を使えないものでしょうか」
 レプカ、委員会に諮らずに独断で探査装置を動かす。三角塔の地下断面図に、2つの点が現れる。
 一体どんな仕掛けになっているのだろう。
「知らなかったい。こんなからくりがまだ使えるのか」
 隠れて見張っていたダイスがつぶやく。
 レプカは勿論のこと、モンスリーもダイスも、探査装置の存在や使い方を知っているようである。
 このことは、モンスリーもダイスも、大変動前は相当の知識を持ち、相当の地位についていたことを示唆するのではないか。

 コナンとラナは、ギガントの地下格納庫に出る。
 ラナはコナンに、レプカはこの戦闘機を復活させて世界を支配する気なのだわ、と話す。
 麻酔銃を撃たれ、捕まる2人。
 
「焼きごてを私に当てなさい!」
 レプカに脅されても、毅然と拒否するラナ。ラナは単なるお姫様キャラではなく、主体性を持ったヒロインである。
 後のナウシカにつながるキャラクターである。
 つまりナウシカは、コナンとラナを一人で演じているということか。

 怪力でレプカを投げ飛ばしたコナン。
「殺せ、こいつを殺せ!」
「モンスリー、そいつを砂漠にさらして日干しにしろ!」
と興奮するレプカに対して
「さあ、局長を早く医務室へ」
「この子を牢屋にお運び!」
と冷静なモンスリー。
 そこにいる全員がレプカの命令をスルーしてモンスリーに従っているのが面白い。
 しかしアニメだからこそこれで済んだのであって、もし現実でこのような場面があれば、間違いなくコナンは即刻私刑にされているだろう。モンスリーがレプカの腰巾着で
「レプカ局長に逆らう者は即刻銃殺!」
となれば終わりだった。
 
 コナンを捕縛してその場を収めたモンスリーも今までのところ、無敵を誇っている。

 一方、港に停泊中のバラクーダ号の船長室。
「船長、下士官全員揃いました」
と、ドンゴロス、パスコ、グッチが並んでいる。ということは彼ら3人がダイスの直属の配下ということになるのか。
 料理人で、服装もコックそのもののグッチが下士官扱いとは面白い。
 もっとも、航海中の料理を扱う役職は重要である。スティーブンソンの『宝島』でも、海賊の頭領のジョン・シルバーは料理人だった。

「明朝、ラナを奪取してハイハーバーへ脱出する。これは明らかにインダストリアに対する反逆である。」
と反逆を宣言するダイス。

「俺はな、インダストリアがつくづくいやになったんだ。
 何が太陽エネルギーだ、平和利用だ。
 レプカはな、昔の兵器を動かしてえんだ。
 てめえだけ強くなりてえんだ。
 そんなことになってみろ、俺たちはお払い箱だ。永久に奴の子分だ。
 何という屈辱だ」

 これは色々な場面にも当てはまりそうな、なかなか味わい深いセリフである。
「とうとういかれた」
「やっぱりいかれたな」
「ほんとにいかれたわ」
と、グッチが節目節目でつぶやくのもいい。

「俺たちは海の男だ。な。共に苦しみを分かち合い、嵐と戦い、はるかな水平線の彼方に夢を求める男。
 え、そうじゃないのか。このバラクーダ号さえあれば、世界中どこへだって行けるのだ」

 このセリフを聞いているうちに、ドンゴロスの顔が見る見る晴れてくる。
「さっすが船長、あったまいい」
 ドンゴロスとパスコは単純に喜ぶ。パスコなんか、左手でVサインをしている。グッチはいつものようにしかめ面のまんまだが、成り行き上、一緒に行動する羽目に。(しかしグッチの顔はよく見ると、鼻の下が異常に長い。)
 
 しかし反逆決行に一晩の猶予を与えるとは、なかなか危ない橋である。下手をすれば密告されてしまいかねない。一応三人ともダイスの命に従った。時々八つ当たりされようとも、ともかくダイスと三人の下士官には信頼関係があったということである。
 何か大きな事を行う際、密告には注意しないといけない。
『三国志』でもそのような例があって、蜀を裏切って魏に行った孟達が再び蜀に寝返ろうとした時、同僚にそれを漏らしたために密告されて司馬仲達に攻め滅ぼされてしまった。
 もしダイスの反逆が未然に発覚していたら、その後の展開はどうなっていたであろう?

 翌朝、朝もやの中、ドンゴロスと一緒に変装したダイスが三角塔に向かう。
 ラナ救出は難なく成功した(ダイスはラナのいる部屋を知っていたのだろうか?)が、その帰り、レプカに会い、見破られる。
「待て、ダイス!」
 一目でダイスの変装を見破ったレプカも、単なる無能な野心家ではない。能力は高そうである。
 それに、重役出勤ではなく、朝から率先して勤務しているのだから、なかなか大したものである。

 ジムシーに起こされるコナン。やはりジムシーのマントは首の部分だけだった。
 鉄格子ごしにダイスにかつがれていくラナを見つけたコナン。
 この時のコナンの悔しがり方は、半端ではない。これは次回冒頭にも続く描写だが、コナンの悔しさが十二分に分かる描写である。

……ということで、次回、ラナを乗せたバラクーダ号はインダストリア軍の追跡を逃れることができるのか!?
 残されたコナンはどうなるのか!?
 ますます面白くなる未来少年コナン、次回も楽しみです。
 

  
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posted by SF Kid at 20:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 未来少年コナン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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