2008年06月08日

未来少年コナン 第7話 追跡

 前回ラストより少し前、ダイスがレプカに見破られる前から今回は始まる。
 連続アニメで1週間に1回の放送なのだから、親切である。
 バラクーダ号を小さなボートで追うレプカ。しかしビルの残骸に激突。こんな大事故でも死なないのがしぶといところである。
 
 一方ダイス船長は
「ギャハハハハ。この海はおれのポケットみたいなもんだ」
 と笑い飛ばした直後、仕事をする真剣な目つきとなり、指示を出す。
 普段はとぼけていても、仕事になれば真剣になるこの落差がいい。ダイスは間違いなく仕事のできる男である。
 それにしても、西暦2008年の船にしてはバラクーダ号はやけに古風である。帆に風を受けて進むし。
 
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 またまた私服で登場のモンスリー。わざわざコナンにラナを連れて行ったダイスを追跡する、と説明に来たのである。
 その後、看守に、私の留守中は水も食糧もやってはいけない、それが動物を飼い慣らすコツだ、と命令する。
 モンスリーは動物を調教するのもうまかった。
 飼い犬ムクをかわいがっていた動物愛護精神との二面性。
 平和な世なら農学部に入って動物達を世話する職業に就いていたかもしれない。
 
 レプカは、インダストリア委員会の博士連中に、ガンボートとファルコへのエネルギー割り当てを増やすことを要求。
 空間を動く椅子でコンピュータを操作している博士連中が何をしている人々か、初回放映を見ていた当時は理解できなかった。
 どうやら原子炉をコントロールしているらしい。
 太陽エネルギーを使えない現在のインダストリアは、原子力エネルギーを使っているらしい。
 
「原子炉のコントロールに必要だから好き勝手にさせているが太陽エネルギーを手に入れたら一人残らず砂漠へ放り込んでやる!」
と暴言を吐くレプカ。無表情で隣を歩くモンスリーは内心何を思ったか。
 
 牢屋では、看守が食糧を配っている。ドアから手が出てきて、そこにパンを乗せていくのである。
 アニメージュ文庫『また、会えたね!―未来少年コナン』のインタビューで宮崎監督は、自分の子どもさんに、あの手を出している人々は何なのか聞かれて答えに迷った、とおっしゃってました。
 私は単に刑務所の囚人なんだろう、と思って深く考えてなかったのですが、確かによく考えると深いテーマである。
 同じシーンを見ていても、色々なことが考えられるものである。

 コナンの独房からは手が出てこない。確かモンスリーには水も食糧も与えるな、と命令されていたはずだが、看守は好奇心からか、中を覗いてみる。
 コナンは上からぶらさがっている。看守、慌てて中に入ろうとするが、思い直して棒でコナンのわきの下をくすぐる。
 このエピソード、面白い。
 しかしこの看守、慎重なのかうっかり者なのか分からん。中途半端である。
 
 外に出て自由になったコナン、海上に停泊してエネルギー注入中のファルコにうまくもぐりこむ。
 少年探偵団でも、犯人の車のトランクに入って追跡するエピソードがよく出てくる。
 しかし、自動車にしろ何にしろ、カギなしでドアを開けて忍び込むのは、なかなか大変なことである。
 ファルコなどは空を飛ぶ戦闘機なのだから、簡単にドアが開くはずはないのだが、ここは物語の進行上、こういう構造になっていないと都合が悪い。
 
 ところでガンボートも出発するのだが、インダストリア沿岸に残っている大変動前のビルの残骸をよけて航行するのだろうか。
 バラクーダ号はダイス船長が支持を出してよけて航行していた。バラクーダ号より大きいガンボートならもっと高度な航行技術が必要ではなかろうか。
 それとも、残骸を破壊しながら進むのだろうか。
 
 インダストリア近海の島かげに隠れているバラクーダ号。
 今頃はインダストリアの連中は見当違いの所を探してエネルギーを無駄遣いしているはずだ、とダイス。
「オレの頭は、コンピューターなんだ」
と、単純なようでいて、なかなか知恵が働くようである。

 ラナの窓からジムシーが覗く。ラナとジムシーの初対面である。
 船の中に閉じ込められていて、窓から男(しかも赤毛で変な髪形のジムシーである)が覗いていても驚かず、窓を開けに行ったラナ。気丈夫である。
 
「お前、泣き虫でも意気地なしでも大食いでもないなあ」
「コナンの奴、いいなあ」
とジムシーもラナが気に入る。

 インダストリアとハイハーバー間の航路を捜すファルコ。
「戻ってインダストリア近くの島かげをしらみつぶしにさがすのよ」
 さすがモンスリー、鋭い。ダイスとモンスリーの知恵比べである。

 夜になり、出発するバラクーダ号。
「明かりは一つもつけるな」
と、ダイスの方もぬかりはない。

 しかし、ラナ説得の際、窓を一瞬開けたことが仇になり、ファルコに発見される。
「エンジンを切って」
と、エンジンを切って音を止め、上空を旋回して詳しく調査。
 ここら辺の駆け引き、面白い。
 しかしファルコはエンジンを切っても飛ぶことができるのか。まるでグライダーである。バラクーダ号にしろファルコにしろ、2008年製というより帆船やグライダーに毛の生えたようなローテク感があるのがいい。

 ファルコに忍び込んでいたコナン、ファルコのハッチを開け、海に飛び込む。
 入った時と同じドアから出ていれば、発見されなくてすんだかもしれないのに。
 外から開くくらいなら、中からはもっと開きやすいはずなのに。
 
 外に飛び出そうとするコナンに対して言ったモンスリーのセリフ
「アッ!なにすんの!」
 第2話 の「なにしてんの!」は完全に関西風アクセントであったが、今回の「なにすんの!」は標準語と関西風が入り混じったようなアクセントであった。
 
 モンスリー、またも電磁拘束具を作動し、コナンの手足の自由を奪う。
 コナン、不自由ながらもバラクーダ号の船首につかまるのに成功するが、やがて放り出され、ラナの船室の窓に顔を突っ込んでいるジムシーの尻を見てから舟のスクリューに回され、後方から舟が去って行くのを見送る。
 絶望的なラストです。コナンはこの後どうなってしまうのでしょうか。
 ダイスやジムシー達の運命はいかに?
 次回がますます楽しみであります。
  
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posted by SF Kid at 18:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 未来少年コナン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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